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今月の車窓からvol.18番外編 (アーカイブ)

今月の車窓からvol.18

「旅と線と絵心」(番外編)

 

そんなに忙しくなかった9月、最終日。

昨日は佐倉市立美術館に「こうの史代展」を見に行ってきた。

 

いや、正確にはもう一度行って来た。

先々週にも行ったのだが、図書館での対談イベントと漫画の読み回しイベントが楽しすぎて肝心の展示を全く見ずに帰ってきたのだ。(美術館に何しに行ったのか…)

 

というわけでリベンジの今回。でも結局全てはちゃんと見て回れんかった…。10時から行ったのに最後の1部屋は、18時の閉館コールに急かされての駆け足で終わった。

(10月2日で終わる&あとは仕事で行けないので次はない。熊本はちょっと遠い…)

 

浦安の海辺にある夢の国じゃないので、終始立ちっぱなし+中腰多きだったから帰宅すると山登ったのかと思うくらいの筋肉痛だったけど、いつも無意識に、なんとなく見ていた(読んでいた)絵画(漫画)というものを腰を据えて振り返る大事な出会いを与えて貰った気がする。

 

こうのさんの作品から遡って、大げさな言い方で言えば自分の絵画履歴を振り返ると、最初に惹かれた絵というのは小学4年生の頃に牛久第二小学校の図書館で出会った

『斎藤惇夫・作、薮内正幸・絵「ガンバと15匹の仲間」シリーズ』(アニメじゃない方ですぜ)

だったと思う。

貸し出しカードが埋まるくらいその3冊を借りまくったり、吉祥寺でやっていた原画展というのに初めて行ったのも薮内さんだったし、北杜市にある薮内さんの美術館も大好きな場所になった。

良くも悪くも、旅に憧れる気持ちの原点もここから貰った気がする。

 

あとは、だいぶ大人になってから初めてこうのさんの本を買った頃(覚えてないけど、たぶん夕凪の街・桜の国?)、同じくらい好きだった岩岡ヒサエさんの著作。旅要素はなかったように思うけど、『オトノハコ』は弱小演劇部だった高校時代と重なったり、『土星マンション』は仕事に悩んでた当時の感情にグサグサ来た。

 

そして今日になって思う。

絵心は全く無い自分だけど、上に挙げた作家さんたちを好きになったのは、漫画ってものに惹かれるのは、多分その「線」が理由だったんだろうなあと。

線の集まりが何かを形造り、それが一瞬の出来事や感情を写真や動画よりもリアルに表現する、そしてそれが絵になる…、、何かそういったものが自分は好きなんだなと思わされた。そして上手く言えないけど(大人になってエンジンを使うようになったけど)、自分の力で移動する旅が好きなのも同じ感覚なんだろうと思う。 

まあそんな最近でしたので、あらゐけいいちさんの絵描き歌を最後に紹介して終わります。

 

文化後進県を自負?している我が県だけど、佐倉市に限っては音楽ホールも美術館もあってマジ羨ましいぜ!

見習っておくれ!我孫子市よ!!

 

そんな感じで、秋もまだまだ旅が続きます。